ごあいさつ

Top message

「助けて」を迅速、正確に繋ぐ。
質の高いシステムを全てのクルマに。

 今日の社会では、自動車は生活に密着した交通手段であり、なくてはならないものになっていますが、残念ながら今なお多くの交通事故が発生しています。

 弊社は、安心して自動車を利用することができるよう、万一の事故やトラブルの際に消防、警察、海上保安庁と素早く正確に連絡を取るための緊急通報サービス(HELPNETサービス)を提供しています。

 仮に重大な交通事故が起きたときには、ドライバーが意識不明の場合でも、エアバッグの作動により自動で自動車から事故発生位置などのデータを取得し、消防、警察にデータ送信します。位置データは、車載通信モジュール等から事故発生地点情報や走行距離の情報等を取得して送信し、また、普及車載機においては弊社のシステムで補正した正確な位置情報等も送られ、直ちに消防本部、警察本部の指令台の地図画面に表示されます。また、事故や体調の急変、あおり運転等に遭ったドライバーや同乗者がボタンを押して通報することにより、システムを介して消防本部、警察本部の指令台とつながり、直接、会話することもできます。既に全国すべての警察本部と大半の消防本部とはこうした直接音声・データ接続が出来ており、まだデータ接続等が出来ていない一部の消防本部との間でも移行作業が進められています。

 さらに、HELPNETサービスは、自動車に加わった衝撃度合から乗員の重症確率を計算して病院、消防、警察に通報し、ドクターヘリの早期出動を支援するD-Call-Netの一翼も担っています。

 弊社は、1999年9月、政府のITS(高度道路交通システム)構想の一環として公共的使命を帯びて設立されました。以来、全国の消防、警察、海上保安庁に緊急通報を直接つなぐことができる国内唯一で質の高い救援機関接続インフラと緊急通報に特化した卓越したオペレーションにより、救援機関の素早い出動、救援、救命に貢献してまいりました。

 EUでは既に自動車への事故自動緊急通報装置の装着義務付けがスタートしています。我が国でも、2018年5月に関係省庁において「接続機関における自動車からの緊急通報の取扱いに関するガイドライン」が定められ、同年7月には国連自動車基準調和世界フォーラムにおける「事故自動緊急通報装置に係る協定規則」の採択を受けて事故自動緊急通報装置に関する自動車の保安基準が定められました。最近の自動車安全性能を評価する自動車アセスメントにおいてもこの事故自動緊急通報装置が重視されるようになっています。

 2021年3月現在、HELPNETサービスを利用できる自動車は300万台を超えていますが、関係者の皆様との連携により、サービスがなお一層普及することを願っております。「つながるクルマ」によりドライバーを支援し、「まさかのときの“安全・安心”」を提供してまいります。

株式会社 日本緊急通報サービス
代表取締役社長

田中 勝也